大貫伸樹の書物楽会

2005-12-28装丁探索其の百貳(山田伸吉装丁「SHOUCHIKUZA NEWS)

shinju-oonuki2005-12-28

山田伸吉「SHOUCHIKUZA NEWS」

 

林哲夫さん、ありがたいコメントに感謝します。さっそく帰宅して、林哲夫『古本スケッチ帳』(青弓社、2002年、1600円+税)を再読しました。明らかに読んだ記憶はあるのですが、林さんが掲載している写真と私がブログに掲載している写真の絵柄とのイメージの違いが大きくて、結びつきませんでした。

 

記事の内容はよく覚えていましたが、山田伸吉という名前だけが全く記憶から欠落しておりました。

 

私は、単行本の装丁以外には、ほとんど興味を持っていなかったことと、架蔵書に山田伸吉の作品が全くなかったなどの理由で、記憶に残りにくかったのでしょう。今回のことで、しっかりとインプットすることが出来ました。

 

「『松竹座グラヒック』の文字」(『古本スケッチ帳』)には、「松竹座グラヒック」「SHOUCHIKUZA NEWS」などの執筆に使用した資料も、丁寧に記載されており、今後の山田伸吉考察には大変に役立つ内容になっていて、ありがたい。

たまらず、さらに購入に走る

 

前日ブログに掲載したパンフレットを購入した時点では、まだ山田伸吉を知らなかったので1枚しか購入しなかった。が、今になってみると自分の目を信じて、もう少したくさん購入しておけばよかったかな、ちょっと遠慮気味だったかな、と後悔している。こんなに惹かれる装丁に、そうたびたび出会えるものではない。古書市は今日が最終日だが、ちょっと今から行くのはむずかしいかな。ううん、やっぱり昭和モダン……だなあ。 

 

午後になって、居ても立ってもいられなくなり、銀座に出かける仕事をなんとかつくり、そのついでに銀座松坂屋に寄り、写真上「SHOUCHIKUZA NEUS 4.10」(松竹座、昭和3年、印刷所=プラトン社)、写真下「Shoucikuza News 10.4」(松竹座、昭和6年、印刷所=プラトン社)、ほか2枚を購入してきた。これも沢山販売されている中から選びぬいてきた4枚だ。

 

下の写真の隅には「運命論者の言葉」と書かれているが、制作者の名前は記されていない。林さんは前掲書の中で〈画風や様式が一様でないにもかかわらず、統一感のある、きわめて秀逸な意匠になっていいる。フレーザーはこれらの仕事を山名文夫らのプラトン社が請け負っていたとしていて、事実、昭和期に発行された同誌の表紙には『クラブ白粉本店印行』と印刷されてもいる。いうまでもなくプラトン社もクラブも中山太陽堂の経営である。しかし、山田伸吉と松竹座のポスターについて詳細な検討をおこなった西村美香氏に従えば……「松竹座ニュース」が山田伸吉主導のもとに作製されたことはほぼ間違いない〉と,記しており、「山田伸吉主導のもとに」に製作されたものではあるが、署名のない装画が必ずしも山田がデザインしたものとはいえないようだ。

 

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