大貫伸樹の書物楽会

2005-12-14装丁探索其の九十六(巻頭言執筆依頼が……)

shinju-oonuki20051214

『東京人』から執筆依頼が!

 

月刊誌『東京人』から2月発行・3月号への巻頭言の執筆依頼が舞い込んだ。東京に憧れ、田舎を捨ててもうすぐ40年になる。やっと東京人として認められるようになってきたのだろうか? 初めて上京した頃からずっと今日まで、地方から出てきたということは、そっと隠しておきたいことなのに、今でも会話をするとすぐに「田舎は茨城県ですか?」といわれてしまう。私はすっかり東京弁を話しているつもりなのだから、そっと見逃して欲しい。

東京にこだわる

 

数年前に、知人から共同所有の別荘を山梨県に買わないか、との誘いを受けたが、即座に断った。せっかく東京に憧れてきたのに、今さら地方に生活の場を求めたくない、というのがその理由だ。何しろ東京には、神保町があり、早稲田があり、中央線沿線の古書店がある。毎週欠かさずどこかの古書市に足を運ぶのが、ここ数年の生活スタイルになっている。インターネットの古書販売でも本は購入できるが、なぜかときめきがない。

 

いつも「胸キュン」させられたいから

 

私の書物購入の方法は、ほとんどが古書店や古書市で手に取って眺め、その装丁の美しさにときめきを感じ、「胸キュン」させられるかどうかを基準にしているのだから、写真も掲載されていないインターネット古書販売では満足できないのである。インターネットには安い本は紹介されていないから、思い掛けなく安い本を発見する楽しみもない。

 

東京にいれば錦なんて飾らなくてもいい

 

そんな私も田舎を懐かしく思うときがあるのは、東京に住んでいるからこそできるので上京したものだけの密かな楽しみなのではないかと思う。上京したということは、田舎を捨ててきたことでもあり、見方を変えればそこで生活することを拒否されたことでもある。田舎に錦を飾ることを胸に秘めているということは、出てきた時以上の何かを身に纏わなければ変えれないということでもあり、拒否した田舎を見返さなければ帰れないという無言の圧力を背負うことでもある。

 

なんか今日は、むずかしい話になってしまった。一体何を書けばいいのか悩み始めているのだろうか?

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